last update 2000/04/24
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■200億光年の孤独■
=I don't know anything sader than it.=
第10回配本『DRUGS』より転載



  ああ、そうだ。



 改めて思い知らされたその思いに、玉藻は苦しげなため息をついた。



  そうだったのか……。



 目の前に横たわる、最愛の人の遺体の頬に、玉藻は指先で触れてみた。

 …冷たかった。

 余りにも、冷たすぎた。

 霊安室は、遺体が腐敗しないように、温度を下げるよう設定されている。まるで、僅かにでも残る遺体の体温を、根こそぎ奪い去るかのように。再び、甦ることのないように……。



 鵺野鳴介の死は、余りにも唐突で、信じ難いものであった。



 ……心臓発作。

 稀な死因ではない。

 それでも、ついこの前まで死闘を繰り広げていた者の死因としては、凡(およ)そ不釣合いであった。

 しかし、自分も検死解剖に立ち会ったのだ。誤診があったわけではないと、確固たる自信があった。

 逆にそれが、一層自分を苦しめる羽目にも成り得たが。



「…どうして…」

 鵺野が死ぬときは、恐らく誰かを庇った時ではなかろうかと、玉藻自身、たかを括っていた。少なくとも、そういった状況下なら、自分が手を差し伸べることで、死の可能性を減らすことが出来るのではないかと、思っていた。



  まさか、病死するなんて…。



 玉藻でなくとも、予想だにしなかったであろう、不幸の結末は、大きな波乱を生んでいた。

 他愛も無く、涙が浮かぶ。



「どうして…!」



 叫ばずには、いられなかった。

 問い掛けずには、いられなかった。

 その人の死を、否定せずにはいられなかった。

 思い知らされた、その想いを。

 今まで気付いていながらも、認めようとしなかった事実を。

 伝えられぬまま、永別しなければならないのか。



「…して…いたんだ」



 咽喉(のど)の奥に蟠(わだかま)る塊を吐き出すように、玉藻は低く唸り、顔を歪めた。



「愛して…いたんだ…!」



 一端想いを言葉にしてしまうと、涙は留まる事を知らなくなった。溢れ来る涙で、視界が全くきかなくなってしまう。我知らずのうちに、嗚咽(おえつ)が洩れた。

 熱い雫が、凍えた遺体の頬に落ちて、乾いた皮膚を潤した。石膏めいたその表情は、全く崩れることは無い。静かに、穏やかに。軽く引き結ばれた口唇は、いつも見てきたそれと比べると、鮮やかさにも、瑞々しさにも欠けてはいたが…。

 物言わぬ巨木のように、玉藻は立ち尽くしていた。ここに立ち尽くしてから、どれ程の時間が流れたのか。静謐(せいひつ)に、悠然(ゆうぜん)と、そこに佇んでいる。

 霊安室は余りにも冷たく、暗く、狭く、そして、静かだった。誰も、ここへ来るものはいない。



 鵺野(かれ)には、両親がいなかったから…。



 部屋の狭さは、息苦しさを感じさせる。本当に、ただ、遺体を納めるだけの空間しか、用意されていない。それだけが、目的なのだと主張しているかのようで、胸の奥が、ずきりと痛んだ。

 壁はコンクリートの肌をむき出しにした、簡素な造りだ。手を伸ばせば届きそうなほど低い天井。何処を見回しても、灰色の、ひと繋がりの空間。その空間に一筋だけ、照明用の電球の光が差し込んでいる。外の雨も風も雪も、弱められ遮られ、ここまで音が届くことはない。

 そう、言うなればここは、ひとつの系、完全に外界から遮断され、遠ざけられ、閉ざされた、別の、一個の世界だった。

 この世界には、生命は不必要なのだ。



 玉藻は今でも、脳裏に焼きつく鮮烈な記憶を、甦られることが出来る。



 自分が初めて、敗北を喫した、あの瞬間を。

 自分が初めて、人間に興味が湧いた、あの瞬間を……。



 刺股を磁力に絡め取られ、身動きが取れなくなったあの時の、鵺野がこちらに向けてきた表情。

 赤子のように澄み切った瞳が、自分を貫いた。満月に彩られ、その黒髪が、深い翠緑色に輝いた。瞳はあかあかと燃え盛るかがり火のような赤玉髄。左手の鬼を掲げ、快心の一撃を繰り出そうとする。あの時の、まんべんの笑み。

 玉藻はあの瞬間、稲妻に打たれたかのように、身じろぎひとつできず、凍りついていた。

 生まれながらにして王者であるものの威厳、神に愛でられる者にのみ与えられる、純粋な美。そして、圧倒的な霊力と生命力が、鵺野の全身から、温かい薔薇色の炎となって立ち上っている。いかなる奇跡を目にしているのかと、膝ががくがくと震え、心臓が止まったかのような気にさえなった。



  やっと、みつけた……!



 生まれ来る畏怖に、驚愕に、歓喜に、胸が打ち震えた。四百年という長い時の流れの中で、初めて見つけた、それの存在。

 皮膚に鳥肌が広がる。



  自分に対抗しうる、唯一の存在…。



 始めは真新しい玩具を見つけたような気分であった。しかし、苦楽を共にするにつれて、自分の中に芽生えた感情は、はじめのころ感じていた、薄っぺらな感情では、説明が付かなくなっていた。

 庇護欲と、独占欲、衝動の葛藤。

 胸から溢れてくるそれは、日増しに酷くなっていく、病魔のようでもあった。



「鵺野先生…」

 始めに小さく、次に大きく。

「鵺野先生…!」



 気付いたのはいつか。

 多分、決定的だったのは、あの時ではなかろうか。

 地獄の鬼、絶鬼との死闘のさなかに。

 鵺野が倒れ、そして、街が廃墟と化したとき。

 自分が救いたかったのは、彼の生徒だったのか、それとも、彼自身なのか。心の整理がつかぬまま、駆け出し、刺股で切りかかった。相手の圧倒的な力の前に成す術もなく、あっという間に撥ね退けられてしまう。背中側に庇った子供たちが、何かを叫び、縋(すが)るような視線を向けてくる。

 食い縛った奥歯から、獣めいたうめきをもらし、妖力を限界まで引き絞る。絶鬼を睨み付ける獣の翠緑の瞳の端に、映ったそれは、何だったろう。

 力なく虚空を半ば握りかけたまま、その形を留めている、血塗れの右手。襤褸(ぼろ)雑巾(ぞうきん)のように引き裂かれたシャツ。

 瓦礫の山の中に埋もれた、その人の姿を見たとき、玉藻の中で、何かが切れた。

 それまで保たれていた何かが、音も無く崩れてゆき、静かに朽ち果てる。



『――――!』



 叫びは、声にならなかった。

 感情の濁流は、全く、意味を成さなかった。

 何も考えられなかった。脳は思考を拒絶した。血液が沸騰し、逆流するかのようだった。

 怒りのままに、悲しみのままに、刺股を分解し、結界を張っていた。

 感情の奔流(ほんりゅう)が、逆巻く炎となって辺りを埋め尽くし、妖力が迸った。



 ―――『滅気怒』―――



 残り僅(わず)かな妖力と生命力を削って、最後にこの技を使うことさえ、厭(いと)わなかった。



  私はあなたを愛して……。



 漸く気付いたその結論に、何かがかちりと嵌った。理解は余りにも穏やかだった。

 薄れゆく意識の中で、そのことだけが、妙な鮮明さを保ち続けていた。



 …アナタノコトヲ、アイシテイマス…



「鵺野先生…!」

 掠れた声を絞り出して、玉藻は遺体に縋った。まじまじと見つめて初めて、思いのほか彼の睫毛が長いことに気付いた。そんな他愛の無いことにさえ、涙が溢れる。

「どうして……」

 繰り返し、繰り返し、疑問符を投げかける。



 青白い頬に、瞼に、唇に。

 意を決したように、玉藻はくちづけた。

 その冷たさに、玉藻自身の心まで凍えてしまいそうだった。

 乾ききった彼の口腔内に舌を絡ませる。

 ……何でも良かった。

 生きている証を、欠片でも見出したかった。



 何の反応も示さない遺骸を見据えて、玉藻は身を起こした。



 それで漸く、決心がついた。



 細く立ち上る線香の煙が、俄(にわ)かに緩くうねった。

 風が吹いているわけでもないのに、霊安室の扉が軋む。

 玉藻は足場を均(なら)すように踏み締め、鵺野に手を翳(かざ)した。瞼を閉じ、意識を集中する。

 びりびりと大気が震撼(しんかん)し、妖気が充満する。

「きょうの水呼ぶ、何の水呼ぶ……」

 唇の内で禁呪を唱える。

「形は見ないで声ばかり……姿は見ないで音ばかり……」

 妖気は濃度を増し、粘ついた塊のように感じられた。渦巻く妖気の色合いは、手で掻き分けられそうな霧めいていた。周りの景色は霧に霞(かす)み、この世からあの世、彼岸から冥界へと差し招いているかのようである。

「七瀬も八瀬も超えてくる……降りて遊ぶや、物語るや…きたりそうろうゆかや……」

 呪詛が唱えられるにつれ、遺体に変化が現れた。指先が微かに痙攣したかのように攣(つ)り、瞼が震えた。心臓のあたりに手をあて、生命力を注ぎ込む。



 ―――――と。



    どくん!



 やがて力強く拍動が始まり、呼気が洩れた。おののく指先に力を込めて、玉藻は更に妖力を上げた。





 撓った木が自ずと身を起こすように、関節の動きを匂わせず、彼は、身を起こした。

「………ッ」

 紅玉髄の瞳が、俄(にわ)かに開かれる。

「……ぁ……?」

 自分の身に起こった出来事を理解できずに、鵺野は辺りを見回した。

「…ッ、玉藻……!?」



 思わず玉藻は鵺野を抱き竦(すく)め、その背を掻き毟(むし)るように、強く抱いた。苦しげに鵺野は息をつき、玉藻の背を撫(な)でた。

「お前、まさか反魂の術を…?」

 問い掛けに答えない玉藻の心中を察して、鵺野は表情を曇らせた。

「……駄目なんだよ、玉藻……」

 諭しかけるように、鵺野は呟いた。

「反魂の術は、神を冒涜する禁呪なんだ」

「しかし!」

 鵺野の言葉を遮って、玉藻は叫んだ。

「あなたは生きたいと思っている。私は、あなたに生きていて欲しい。それだけでは駄目ですか? 理由にするには、役不足ですか?」

「そうじゃない……そうじゃないんだ、玉藻」

 小さく頚(くび)を振って、鵺野は云う。

「俺も昔、この術を使ったことがある。神への冒涜(ぼうとく)だろうと何だろうと、いいと思った。…でもな」

 言葉を切って、鵺野は小さく俯いた。

「運命は皮肉だった。…結局その子は死んでしまったよ。神は死んだものが甦ることを決して赦さない。あわよく今、生き返ったとしても、近い将来再び死が訪れるだけなんだ」

 一点の曇りも無い瞳が、真っ向から自分を見据えてくる。どんな状況下でも、その姿勢は変わらないのだと、改めて玉藻は思い知らされた。

「俺たちは、神にはなれないんだ……!」



  ああ……。



 思わず、身体の力が抜けてしまうようだった。



  そうだ。

  自分たちは、神の卑小(ひしょう)なる道具の

  ひとつに過ぎないのだ……。



 みるみるうちに、鵺野の身体が冷えていく。頬の赤らみが消えうせ、死体特有の青白さを取り戻していく。

「嬉しかったよ。お前に『生きていてもらいたい』なんて云われてさ……。今まで、守るばっかで、そんなふうにされたことがなくて、何か戸惑ったけど……」

 玉藻はひとつ頷き、その身体を、殊更強く抱き締めた。



「…ん、とは…」

 涙声になりかけながらも、鵺野は言葉を続けた。

「本当は、死にたくない……!」

 それは、魂の叫びだった。



  でも、死ななきゃいけない……。



 玉藻は、再び、ひと雫の涙を流した。

「私は、あなたを……」

 いいざまに、玉藻は鵺野の唇を奪った。

 彼の唇は、氷のように冷徹で、薔薇の花のように馨(かぐわ)しかった。

 息をつく間も無く、玉藻は唇を貪った。言葉で伝えられない想い、全てを託そうとするかのように。鵺野もまた、答えるように舌を絡ませ、玉藻の背に腕を廻し縋る。

 お互いに、このような結末は望まなかっただろう。だがそれは宿命であり、宿命は時の流れに縛られず、過去でも未来でもなく、永劫である。

 闇と光、生命と虚無、白と黒、無垢(むく)と汚濁、喜びと悲しみ。

 ……互いに相容れぬものではあっても、かえって、互いを際だたせ、活かすためには、互いを必要とせずにはいられないものが、この世には存在する。2人も、そうなのであろう。

 時の流れが滞(とどこお)り、均衡が崩れようとするならば、際立って対立するものが現れる。それらは戦い、融合し、爆発し、新たなる生命を生み出す。いにしえの契約によって、出会わざるを得ない……そして、愛し合わずには、いられない……。ひとつになり、また分裂し、またいつか(遠い過去、或いは遠い未来に)ひとつになるもの。

 玉藻は鵺野を呼んだ。

 彼は呼びかけに応え、現世に舞い戻った。

 束の間の命ではあったが。

 くちづけは長かった。

 凡そ、邯鄲(かんたん)の間とでも、云うかのように。



 鵺野の呼気が、弱まっていくのがわかる。

 命の灯火も、あと僅かであった。

「…玉藻…」

 最期に小さく、鵺野は呟きを洩らした。

 遠からぬ死を予期したように、頬は削(そ)げ、目の下に隈が生じている。なかば幽霊めいた、悲壮このうえないような表情だった。それでも、彼は美しかった。生命の最期の炎をあげて、毅然(きぜん)と輝き続けていた。

「鵺野先生!」

 この世に何も惜しいと思うことの無い妖魔である玉藻自身にさえ、なんと掛け替えの無い人なのだろうと、改めて思わしめるほどに。

「逝かないでください、鵺野先生!」



「どうか、…俺がいなくなった後も、……みんなのことを、守っ」



 かくり、と、白い咽喉(のど)が仰け反った。咽喉の奥から、笛の音のような音が、ひゅうと弱々しく洩れた。

 そのままもとの冷たく硬い、ただの骸となってしまった。

 起こった事柄の意味は解かっていた。だが、玉藻はそれを信じることが出来ずにいた。……彼は待った。鵺野の顔を一心に見つめつづけ、その唇が再び言葉を紡ぎ、自分の名を呼ぶことを。信じてもいない奇跡を。

「……鵺野先生……?」

 紅玉髄の瞳は悲しげに開かれたまま、もはやこの世ではない何処かを……虚空を見つめたままである。彼はこれほど傍にいながら、どこか遠く、隔たった処へ旅立っている。

 ……わかっている。

 わかっている。

 そんなことは、始めから解かっている。

 しかし、妖魔の願いが効き遂げられた試しはない。

 だが、魂の欠片は、まだこの辺りに漂っているのではないか? 掻き集めて、もう一度、やり直すことは出来ないのか?

 玉藻は待った。

 待って、待って、待ちつづけて。

 やがて、動かせぬ事実の刃が、その胸を深く抉(えぐ)るのに、身を任せた。



  …………!



 時が爆発し、また、再び動き出した。



 力なく膝が折れ、その場に座り込むと、玉藻は思い出したように再び涙を流した。

 ごとり、と音を立てて、白衣のポケットから霊水晶が転がり落ちた。

 殴り書きされた『お前が最強だ』の文字を見つめると、堪えていたはずの嗚咽が漏れ出した。

 知っていたのだ、あの人は。

 自分の死が、すぐそこまでやってきていたことに。

 だからこそ、これを自分に託していったのだ。

 …形見として。



 苦しさのあまり、玉藻は胸を掻き毟(むし)った。

 シャツが破れ、肌が剥き出しになり、血が滲むほど掻き毟ったとき、何か別の異変を、彼は感じた。

「………ッ!?」

 身体を大きく波打たせ、えづいたと思えば、胃液が逆流し、胃が扇動(せんどう)した。

「…ぅぐッ!!」

 鵺野の訃報(ふほう)を知らされてから、満足に何も食べていなかったためか、吐き出されるのは胃液だけだ。

 荒い呼吸を落ち着かせようと、必死で深呼吸すると、次に肺が軋み、息が出来なくなる。苦しさにのたうち回り、這いつくばった。……その刹那。



「……っ…がはッ!」



 ……真っ赤だ。

 真っ赤な鮮血が迸り、床いっぱいに広がった。

「……っごほっ、ごほっ」

 激しく咳き込むと、新しい鮮血が、信じられないほど吐き出される。白衣を紅く染め、狭い霊安室は、あっという間に血の臭いが充満した。



「…ああ、もう、時間が…」

 げっそりとやつれた表情で、玉藻は鵺野を見た。

「…え…の……せん…せ……」

 血液が気管に入ったのか、呼吸をする度にひゅうひゅうと、奇妙な音が洩れた。

 力なく鵺野に手を差し伸べ、そのまま玉藻はベッドに寄りかかった。

 瞼を開けているのさえ辛いほど、身体は重く、気だるかった。

 闇夜の滝のような銀髪が、微かに揺れる。



 鵺野の瞳の脇に、冷たい雫が宿っている。

 苦笑混じりに玉藻はその雫を拭い取ってやった。



 いっそ、自分が女であったらよかったのに。

 玉藻はそう思いながら、静かに瞼を閉じた。



 女には悲痛な顔が良く似合った。

 思いつめた顔が、暗い顔が、涙が良く似合った。

 だが、自分は違う。



 自分に似合うのは、狡猾さだ。

 さもなければ、いっそのこと狂気に我を忘れ、殺戮(さつりく)を繰り返す残忍さだ。



 床に広がる夥しいほどの鮮血も、どこか遠くの世界のもののように思えた。

 意識が遠のき、目の前に斜がかかる。





  鵺野先生……!





 玉藻の声なき叫びは、大気を震撼させ、山を抉り、森を貫いて何処までも響き渡った。









   見上げた空に、映るものは何か。

   大地を踏み締める足に、触れるものは何か。

   手を伸ばした先に、得られるものは何か。

   脳裏に焼きつく、鮮烈な記憶は何か。

   乾ききった心に、染み渡るその想いは何か。



   投げかけられる疑問符は、あまた存在するが、

   その答えを切望しているわけでもない。

   それら総てを理解するには、

   どれ程の時間を要するのか。



   刹那の邂逅(かいこう)か。

   久遠(くおん)の旅路か。



   凡そ邯鄲(かんたん)の間に。



   わが身の内なる深淵(しんえん)の果てで、

   浄化され、昇華され、血肉の一変となり、

   常にこの身体を潤すだろうか。



   静かで静謐(せいひつ)な闇の中で、

   あかあかと燃ゆるかがり火のように。



   その存在は、大きく、深く、

   …そして、悲しい。











「私ももうすぐ、あなたのもとに…」
 





END

■あとがき
 同人誌から【200億光年の孤独】UPです。
 鵺野先生が死んじゃった、あぎょうさんの話がベースになってます。
 玉藻氏、なぜか検死解剖してますね(苦笑)
 いつか【反魂の術】ネタはやりたいと思っていたので
 いい具合に使えてよかったよかった。

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