貝殻を踏まなかったら…


サクラ大戦4:グリシーヌのエンディングより



貴公は再び巴里に帰ってきた。

また貴公と共に巴里を、巴里の人々を守れることを誇りに思う。

貴公は私に真のノブレス・オブリジェ(高貴なるゆえの使命)を教えてくれた。私にとって、貴公は何者よりも気高く高貴なる王だ。貴公は私をクイーンに選んでくれた。私と共に生きていくと言ってくれた。

私は貴公から預かっていた巴里華撃団隊長の座を返すつもりだ。巴里華撃団の指揮は私にも務まるだろう。しかし私の指揮は貴公にしか務まらぬ。そう、貴公でなければならないのだ。




「ではタレブー、行ってくる。後のことを任せたぞ」

メイド長のタレブーはぴんと背筋を伸ばし直立不動の姿勢で答えた。

「かしこまりましたざますお館様。旅の道中、くれぐれもお気をつけ下さいませざます」
タレブーに後事を託した後、花火が私に声をかけてきた。

「グリシーヌ、行ってらっしゃい。道中気をつけてね」
「ああ。花火も家のことを頼む。明後日には必ず戻る。いつまでも巴里を留守にするわけにはいかないからな」

私の言葉に花火は微笑を浮かべながら頭を振った。
「ううん、巴里のことは気にしないで。それよりやっと取れた三日間のお休み、ゆっくり羽根を伸ばしてきて」

ここのところ私は多忙を極め、体を休める時間がまるでなかった。

隊長職をいつでも私グリシーヌ・ブルーメールから隊長(私が「隊長」と呼ぶ人間はこの世に一人しかいない)に引き継げるようにするための残務処理に追われていたからだ。


しかしそれは心休まる時間がなかったというわけではない。

隊長が私の仕事を手伝ってくれた。隊長といたことで、私はこの激務を楽しむことさえできた。愛する人間が近くにいてくれるだけでこんなに世界は変わるものなのだな。

私は隊長から預かっていた「隊長職」を返上したいと何度もグラン・マやムッシュ迫水に掛け合ってきたが未だ実現していない。

どうやらグラン・マや迫水大使よりも上の方で混乱が起こっているようなのだ。

ブルーメール家の情報網を使って裏を探ったところ、アメリカの紐育で問題が起こったらしい。そこで大神隊長をアメリカに派遣すべきという意見が出ているらしいのだ。

まだ結果は出ていない。いや、少なくとも私は何も聞かされていない。隊長は何か聞いているのかもしれないが……。


隊長は私のムコになる男だ。だから私には何の隠し事もあってはならない。私は隊長にアメリカ問題のことを質すつもりだ。だから休暇を取って隊長をブルーメール家のプライベト・ビーチに招待したのだ。

「ムッシュ大神がお着きになられました」
メイドの報告を聞いて私は拳を握りしめた。




グリシーヌが変だ。

ブルーメール家の玄関前で車に乗って20分、俺とは反対の窓から外を見つめるだけで全く口を聞いてくれない。何か怒らせることをしたかな?

とにかくこのままでは間がもたないので少し話をしてみよう。

車の運転手はブルーメール家専属ドライバー。俺とグリシーヌは後部座席に座っている。
ブルーメール家のドライバーに聞こえるから変な話はできないな。よし、この車の話にしよう。会話に滑っても、ドライバーに話を振ればフォローしてくれるかもしれない。

「グリシーヌ、」

俺はグリシーヌの名を呼んでから質問に入った。
「この自動車はメーカーはどこだい?日本の車ならわかるんだけど、巴里の車はまだわからないんだ」

「……ティアットだ……」
グリシーヌは返事をしてくれた。
ティアットは聞いたことがある。町工場から始めて、欧州大戦で軍需に食いこんで大きくなった会社だ。日本の神崎重工みたいなもんだな。

「さすがはティアットだね。こんなに車内が広い車は初めてだよ」

「……貴公に話がある」
俺の道化ぶりはグリシーヌに何の感銘も与えなかったらしい。でもグリシーヌの方から何か話してくれるみたいだから決して無駄ではなかっただろう。

「最初に言っておく。ブルーメール家に仕える運転手は皆口が堅い。ここでの会話が車の外に出ることは決してない。貴公が誰かに話さぬ限りな」

「お互い腹を割って話ができるってことはわかった。話ってなんだい?」

「……貴公のアメリカ行きのことだ。私は貴公を巴里華撃団隊長として認めている。しかし正式には私がまだ華撃団の隊長だ」

「そうだね」
俺は頷いた。まったく異論の余地がない。俺は今のところ、タダのモギリだ。

「しかし貴公のアメリカ行きのことは全く聞いていない。貴公はどうなのだ?私に黙っているだけで本当は何か聞いているのではないのか?」


アメリカ行きのことか。

俺もグリシーヌと同じで何も聞かされていない。

「いいや、本当に何も聞かされていないよ」
俺は正直に答えた。

「本当か?では……」
「俺の刀と君の斧にかけて誓うよ」
「……いいだろう、信じよう」

「そのことを気にして、さっきまで黙っていたのかい?」
だとしたらかわいいな、グリシーヌ。

俺の気持ちを知らないグリシーヌは大真面目な顔で頷いた。
「そうだ、貴公はこの巴里の町を第二の故郷と呼び見事守った。そしてトーキョーではなく巴里を選んだのだ。もうアメリカへなど行かせたりせぬ」

俺は嬉しい。でもグリシーヌはもう一つ考えなければならないことがある。今度は俺がそれをぶつけてみた。
「グリシーヌ、もし俺ではなくて君がアメリカ行きを命ぜられたらどうする?」

「え、私が?」
俺の質問にグリシーヌは目を丸くした。





「そう。アメリカの霊子戦力を強化するために隊長クラスの隊員が派遣されるなら、俺以外にも君か帝撃のマリアがいるだろう?」

隊長に言われるまでそんなこと考えたこともなかった。

私が巴里を離れる……?そして隊長からも……?

「紐育に住む人たちが君の助けを求めている。実際、巴里やトーキョーでは大きな被害が出た。今度は紐育の人たちが同じ目に遭うかもしれないだろ?グリシーヌ、君ならどうする?アメリカ行きを断るかい?」

一分の隙もない完璧な論理に私は何も言い返せない。

でもしかし……
「しかし私は……」

「俺は君に行けと言うよ。そして君の帰りをずっと待ってる。ずっとね」

「……わかった。貴公のアメリカ行きが決まったら、私も待つことにする。でも本当は、……貴公には二度とどこにも行ってもらいたくないのだ。その私の気持ちもわかってくれ……」
「……」

隊長は黙って私の肩を抱き寄せた。
「!た、隊長!……」
顔が真っ赤になるのが自分でもわかった。胸が切なく熱くなる。

「バタイユ、ここでのことは全て忘れろ」
運転席に座っている初老の運転手に命じた。こんなこと、忠臣バタイユには言う必要がないのに。

「承知いたしております。私には道路しか見えませんし、エンジンの音しか聞こえておりません」
バタイユの忠義ぶりに甘え、私は隊長の胸の中に頭を預けたのだった。





巴里を出たのが午前9時過ぎ、別荘に着いたのは正午前だった。だいたい3時間の行程ということになる。

グリシーヌはやっぱり少し元気がない。アメリカ行きのことが気になって仕方ないんだろうな……

別荘はどちらかというと城だった。飾り気のない大きな城郭は質実剛健そのものだ。城は北にドーヴァーを臨み、それ以外の方角は鬱蒼とした森に囲まれている。

ここはセーヌ川に近く、川に沿って南下すれば巴里に辿り着く。

この地が持つ国防上の意味が決して小さくないことはすぐにわかった。この城も今は別荘だが、有事の際には軍事基地となるのだろう。

「どうした、早く入れ」

目の前に城の入口がある。門扉は俺の背丈の倍はある。で、でかい……。
「あ、ああ……」
俺は少々気後れを感じながらグリシーヌの後に続いた。グリシーヌの荷物は別荘のメイドたちが持って入ったが、俺は自分の荷物は自分で運んだ。キネマトロンもあるからな。

そのキネマトロンが突然鳴り出した。さすがにびっくりする。

「!どうした隊長、巴里で事件か!?」
グリシーヌが厳しい表情で聞いてきた。巴里華撃団グリシーヌ・ブルーメールの顔だ。

「わからない、とにかく出てみよう」
グリシーヌの手招きで別荘の一室に入る。誰もいない。ここなら俺たち以外に聞かれることはないだろう。

キネマトロンの送信者はグラン・マだった。
「大神です!巴里で何か事件でも!?」

「なんだい大声で。こっちがびっくりするじゃないか。違うよ。早く知らせてやりたいことがあったから通信したんだ」
?早く知らせたいこと?なんだろう?

「ムッシュ、あんたを紐育華撃団に送り込もうという例の件のことだけど、流れたよ。紐育華撃団隊長には別の人間を充てることになった」

目をまんまるにする俺とグリシーヌ。グリシーヌと顔を合わせる。それから二人同時にキネマトロンの画面を覗きこんだ。

「では私が隊長職を返上したいという話は……」

「ああ、やっと今日受理されたよ。これでムッシュは晴れて巴里華撃団の隊長だ」

「そうか…よかった……」
グリシーヌは隣で脱力している。俺も正直ホッとした。

「わざわざありがとうございます、グラン・マ。これで心置きなく休暇を楽しむことができます」
俺の言葉にグラン・マは微笑んだ。

「ふふっ、きっとあんたのことでグリシーヌがやきもきしてるだろうと思ってね。それですぐに連絡してやったのさ」

「ちょ、ちょっと待てグラン・マ、私は別にやきもきなど……」
「してたじゃないか、かわいかったよグリシーヌ」
慌てて否定するグリシーヌに横槍を入れる。取り乱したグリシーヌもかわいい。

「からかうなっ!……グラン・マ、要件はそれだけか?それならば切らせてもらうぞ!」
「ああ、こっちは大丈夫だからゆっくりしてきな」

キネマトロンを切った後、目に見えてグリシーヌは元気を取り戻した。
俺を部屋に案内してくれた後、すぐに海に行くことになった。水着を持って城から出る。海辺に向かって数分歩くとコテージに着く。そこで着替えることになっている。

別荘の人間はついて来なかった。俺とグリシーヌだけでコテージで着替えなんかしていいんだろうかと思ったが、別に覗くわけでもないし、きっと信用してくれてるということなのだろう。

「では先に着替えてくれ。私は外で待っている」
ああ、信用してくれてるわけではないんだね……。そういえば昔一度だけ、グリシーヌのシャワーを覗いたことがあったのを思い出した。あの時グリシーヌはかんかんだった。


着替えが済み、今度は俺が外で待つ番だ。

一体どんな水着なのだろうか、俺は期待感を隠そうともせず、ウキウキした気持ちで口笛などを吹いたりしていた。

「待たせたな」
コテージのドアが開き、グリシーヌが出てきた。いつもの青いコートを着ているのでどんな水着かはわからない。しかしコートの下からすっと伸びている白い素足とサンダルが、いつもの彼女でないことを証明していた。

俺は早く水着姿のグリシーヌを見たいという気持ちを抑えながら笑顔で言った。

「じゃあ行こうか、グリシーヌ」

そう言って手を差し出す。グリシーヌは少し顔を赤らめて俺の手を握った。
「うむ……」





「この辺でいいかな」
そう言いながら隊長は砂浜にパラソルを立てた。そして大きめのタオルを二枚敷いた。

「泳ぎ疲れたらどっちか使いなよ」

「ああ」

「じゃあ泳ぎに行こうよ」

隊長はさっきから海の方ばかり見ている。今回の海水浴をよほど楽しみにしていたのだろう。それに隊長は元々海軍の軍人だったと聞いている。海が好きでなければ務まらない仕事だろう。

「グリシーヌ、どんな水着を着てるんだい?」
隊長がいたずらっぽい笑顔で聞いてきた。

「普通の水着だ、決まっているだろう」

「普通ってどんな?」

「ええい、わかった。脱げばいいんだろう。その代わりいやらしい目で見るな」
「俺はいやらしい目でグリシーヌを見たことなんてないよ」

嘘つけ、ブルーアイの衣装をいやらしい目で見たくせに。

しかしそのことは言わずにおいてやった。ニッポンの言葉でいう「武士の情」というやつだ。


それにしても、私を見つめる隊長の目が熱い。いやらしいとは言わないが、期待しているのは丸わかりだ。こんな水着で良かったのだろうか?

私は期待される恥ずかしさと、期待を裏切るかもしれない不安とでドキドキしながらコートをそっと脱いだ。





グリシーヌがついにコートを脱いだ。

胸と腰だけを隠すセパレーツ型の純白の水着だ。それ以外はグリシーヌの白い透き通るような肌が露わになっている。よく見ると右足首に金の輪っかをはめている。手首だとブレスレットだよな。足首にはめる輪っかって何って呼ぶんだろう?

「き、綺麗だよ、グリシーヌ……」
思わず口から出た言葉がこれだった。グリシーヌはちょっと照れたみたいだ。

「そんなこと口に出す必要はなかろう!…心の中でだけ思っていればいいのだ」
グリシーヌはそっぽ向いた。かわいいな。

「じゃあ泳ごうか」

「私はここで待ってる。別にここへは泳ぎに来たわけではないからな」
じゃあ何しに来たんだ?俺に水着姿を披露するためとか……。
そんなこと言ったら斧を持って追いかけ回されそうだったので言わなかった。





隊長は子供のように海水浴を楽しんでいる。

大きな波が来るとわざとそっちに向かって泳いでいって吹き飛ばされたりして、本当に子供みたいだ。

私は日焼けを避けるためにパラソルの中からその様子を見ていた。
さすがは海軍出身というべきか、さすがは隊長というへきか、男性的な筋肉質の体をしている。

隊長は私のムコになる男だ。いつか私はあの胸に抱かれる時が来る。

ひょっとしたらそれは今日か明日かもしれない。もし関係を迫られたらどうしよう……?

婚前交渉など問題外だと思っていたが、いよいよ現実味を増してくると、あの男が相手ならそれもいいかなと思えてくる。これはしきたりではなく覚悟の問題だ。


隊長が海を上がるようだ。こっちに向かってゆっくり近づいてくる。

「いやあ、久しぶりに泳ぎまくったよ。こんなに泳いだのは南米航海演習以来だな……」
そう言いながら私の隣に敷いてあったタオルの上に腰掛けた。私と目が合ったので隊長はにっこりと笑った。

「楽しんでもらえて何よりだ。この海岸を使えるのは今は貴公と私だけだ。いくらでも泳いでくれ」
「ひょっとして、この海岸すべてがグリシーヌのものなのかい?」

「ああ。ここは私の許可なくしては王であっても入ることはできぬ」
「へぇ、すごいな……。本当にグリシーヌは何でも持っているんだね」

隊長は素直に感心している。しかし私にとってはこんなビーチはたいした意味を持たない。
「別にたいしたことではないだろう。でも一応礼は言っておくべきなのだろうな」





「でも、」
俺がビーチとグリシーヌの権勢に感心していると、グリシーヌは立ち上がり遠い目で海の彼方を見遣った。その先にはイギリスがあるはずだ。

「でも、このビーチは与えられたものにすぎない。私は多くのものを持っているが、ほとんど全て与えられたものだ。自分で勝ち取ったものではない。本当に価値があるものは、自分の力で得たものだろう?」
「ああ、その通りだと思うよ」

「ならば聞いてもよいか?貴公が手に入れたもので一番価値のあるものは何なのだ?」

グリシーヌは海を見つめたままだ。多分グリシーヌのことだから「平和」って返事を期待してるんだろうな。
ここはグリシーヌがびっくりするようなことを答えよう。

「それはグリシーヌ、君だよ。俺にとって、君が一番価値のある人だよ」
俺の言葉にグリシーヌはびくっとして振り返った。俺と目が合い、たちまち耳まで真っ赤になる。いつもなら「茶化すな!」と怒るところだが、今日のグリシーヌは怒らなかった。

「そ、そうか?…なんと言えばよいのか、…いや、その……うれしい……。貴公だからだな、貴公にそう言ってもらえるとたまらなく心地よい……」

俺はじっと見つめている。俺も同じことを聞こうとして、じっとグリシーヌの目を見つめたがグリシーヌは目を背けた。

「そんなに見つめるな、目を合わせられないではないか……」

「グリシーヌ、じゃあ君が得たもので一番価値があるものってなんだい?」
グリシーヌは赤面しながら答えた。

「うむ……それは……貴公だ。……貴公は…私が全てを失う覚悟で手に入れた、この世で一番価値のあるものだ……。もう私には貴公のことしか考えられない……」
相思相愛だとはわかっていたけど、俺のことしか考えられなくなっているとまでは考えていなかった。

俺の心臓は早鐘のように鳴り始めた。

「グリシーヌ……俺もうれしいよ……」

そう言いながら俺はグリシーヌに手を差し伸べた。その手をグリシーヌが握り、俺は自分の胸元にグリシーヌを抱き寄せる。立っていたままのグリシーヌは体勢を崩し、俺の胸元に飛び込む形になった。

「た、隊長!?」
グリシーヌの胸が俺の胸に心地よい感触を伝える。グリシーヌの胸は結構大きい。





隊長の腕に引き寄せられた私は転んだ時のように前に倒れこんだ。
倒れこんだ先は隊長の胸の中だ。隊長に抱き寄せられたのだ。

「……私相手にこんなことをするとは、なんて大胆な男なんだ……」
隊長の手が私の後ろ髪をそっと撫でた。

気持ちいい……こんな幸せな時間があったなんて知らなかった……

「隊長、これからはずっと私と一緒にいてくれるのだろう?私から離れないでほしい。だって貴公はもう……私だけのものなのだろう?」

「ああ、グリシーヌ。俺たちはずっと一緒だ」

……
私は隊長の頬を抱いてじっと隊長の瞳を見つめた。
「ならば誓いを……」

私が隊長に唇を近づけると、隊長は私の後頭部を抱き寄せてきた。

「ん……」

隊長の唇と私の唇が触れる。私の後頭部を抱く隊長の手に力が篭る。





グリシーヌとのキスはいい味だった。舌を入れてみる。

グリシーヌは最初ビクッとしたが舌を受け入れた。俺は唾液をたっぷり絡ませた舌でグリシーヌの口腔内を舐めまわした。

「んんっ!……ん……」

息が苦しくなったので唇を離す。グリシーヌは熱っぽい目を俺から離そうとしない。
俺はグリシーヌの尻を撫でた。グリシーヌは敏感に感じてくれた。かわいい声で鳴く。

「は、あ、ああ、隊長!?」
俺の胸にぎゅっとしがみついた。

「グリシーヌ、舌を出すんだ」
グリシーヌの口の中に再度侵攻すべく、舌を出してグリシーヌの顔に近づけた。

「……」
グリシーヌは目を閉じて小さな赤い舌を出した。俺は遠慮なく舌を絡ませた。

「ん、ん、んんっ……」

このグリシーヌの声を聞いていると思わず勃起してしまった。海パンのテントの頂上がグリシーヌの股間に直撃する。

「!…んんっ……」
股間の異物感に顔を上げようとしたグリシーヌを押さえてキスを続けた。

今度はグリシーヌを仰向けに寝かせて俺が上に乗る。もういいかな、キスを解いて言った。

「はあはあ…グリシーヌ、このまま……いいだろ?」

「はあはあ……あ、ああ……」

グリシーヌの了承を得たので早速グリシーヌの胸を攻めることにした。緊張をほぐすためにキスをする。グリシーヌもその気になってくれたので俺の舌を貪欲に求めてきた。
グリシーヌがこんなに積極的になったことに驚かないでもなかったが、それなら話は早い。
俺はグリシーヌのブラに手を入れて直接胸に触れた。

「!……」

健気と言うべきか気丈というべきか、グリシーヌは歯を食いしばって羞恥に耐えている。

でも気持ち良さそうな声を聞かせてほしい。

俺は両胸を撫で回した。圧力を加えればそれ以上の力で反作用する。心地よい弾力感だ。揉むというよりは撫でたり指を這わせたりすることを心掛ける。

俺は何とかグリシーヌのかわいい鳴き声が聞きたくて乳首をつまんだ。

「ああぁっ!…んっ!た、たいちょお……」

「グリシーヌ、愛してるよ」
愛撫と共に愛を囁くことも忘れない。

「わ、私もだ…もう、貴公のことしか考えられない……」

「グリシーヌ、誰にも聞こえないから気持ち良かったら声を出すんだよ」

「き、貴公が聞いているではないか!そんな恥ずかしいこと…ああぁっっ!」

腋の下を舐められたからだろう、グリシーヌは不覚の声を上げた。腋の下から脇腹に下ってゆき、下腹部で一旦止まる。俺は口の中に入った砂を吐き捨て、グリシーヌの双丘を隠す水着をめくった。

形のいい乳房がぶるんと震えた。仰向けになっても乳房が垂れない。乳首はツンと立ち、真上を向いている。

その張りの良さに感動して俺は乳首を摘み上げて舌を絡ませた。唾液で乳首を汚す。

「はぁっん!!ああっ!」

乳首が感じるみたいなので優しく噛んだ。

さっきからグリシーヌの細い指が俺の背中に食い込んで痛い。セックス中に爪を立てる女がいるが、グリシーヌもそのタイプなんだろうか?

爪を立てるのは、「自分のもの」というマーキングの意味もあると聞いた。
俺に限って言えば、こういうことをされると一層獣欲をかき立てられる。

俺は一気に下降してグリシーヌのパンツに顔を埋めた。すべすべの太腿を愛撫しながらパンツに舌を立てる。

「くふ…ん、んっ、ああぁぁっっ!」

舌を水着に食い込ませて秘部を責め立てる。「女の匂い」が俺の鼻腔をくすぐる。俺のクンニと愛撫でグリシーヌは着実に「女」になっている。

ブルーメール家当主、シャノワール歌手ブルーアイ、巴里華撃団隊長、光武を操る霊能者などグリシーヌは様々な面を持っているが、そういったものが全部剥がされた時、一人の女としてのグリシーヌだけが残る。

俺はそのグリシーヌに会うために愛撫を続けた。


「気持ちいいかい、グリシーヌ」

「う、うぅ……あん、ああん!」





はあはあはあはあ……

隊長は執拗に私の一番大事な所を舌で舐めている。
ああっ、ま、また……

「あっ!?」

突然私の半身を起こして隊長は後ろに回った。それから私の陰部を指で愛撫し始めた。

「あああああぁあぁっ!だ、だめ、だめ!」

感じすぎる!……
でも声にならなかった。

私は縋るものが欲しくて手で周囲を探ったが宙をさまようだけに終わった。

「グリシーヌ、手が暇そうだね」
ち、違う、暇なのではない、掴めるものがないのだ……

でも私の口から出てくるのは不覚の声だった。
「あああぁぁっ!」

隊長は私の指を掴んで、私の陰部に押し当てた。

「自分でやってごらん。やったことあるんだろ?」

「あ、ああぁ、あるわけ…ない……ああっ!!」

「じゃあ教えてあげるよ。その前に水着を脱ごうね」
そう言って唇を重ねてきた。

私の陰部を愛撫していた指が今は私の水着を脱がしている。

「ああぁぁぁ……」

「ブラも取ろうね」

隊長の言葉と共にブラが剥ぎ取られ、私は完全に裸にされてしまった。

「隊長も…裸になれ…卑怯だぞ……」

「グリシーヌの水着は俺が脱がせてあげたんだよ。俺のはグリシーヌが脱がせてくれよ」
隊長は私を座らせると、目の前に立った。

「はあはあ…はあん、はあはあ……」

体が熱い……
芯から熔けそうな熱さだ……

私は体の火照りに耐えながら隊長の欲望に膨れ上がったパンツを脱がし始めた。パンツを脱がせると隊長のペニスがぶるんと震えた。

醜悪としか言いようのない姿形をしている。でもこれは愛する隊長のものだ。隊長の……

メイド達が隊長のことを噂していたことを思い出す。

『サムライのナニはサイコーに硬いんだってさ』

『お館様がそれに貫かれる時が来るのね……』

そう、その時は間もなく訪れる……


「グリシーヌ、君に入れたくていきり立ってるよ……」

ペニスが……いきり立って……
なんて恥ずかしいことを言うんだ……

…でも……





グリシーヌに自慰のやり方を教えてあげるつもりだったが考えを変えた。
俺はいきり立ったチンポでグリシーヌの顔を愛撫した。耳を撫でて頬、目尻、鼻梁[びりょう]を通って唇に押し当てた。

チンポの先から漏れ出る先走りがグリシーヌの美貌を汚す。

すまないグリシーヌ、こうすると気持ちいいんだよ……

俺は心の中で謝りながらグリシーヌの唇の中に腰を突き入れた。

「んんんっ!」

無理矢理というのも興奮する。

「グリシーヌ、唾液を舌に絡めて舐めるんだ。うまければぴちゃぴちゃとヤラシイ音が出てくるはずだ」

「ん、んんっ!」

グリシーヌの口の中で舌がチンポに絡みつくのを感じた。俺の指示通りぴちゃぴちゃ卑猥な音を立てる。

「先っぽも…だよっ!」

ううっ、気持ちいい!これはすぐにイってしまう!
「後、口をすぼめて吸うんだ」

グリシーヌはすぐに俺の要求に応じてくれる。ジュルジュル…とヤラシイ音が聴覚を通じて俺の性欲を刺激する。

「そ、う、その調子だグリシーヌ!」

「んくぅっ!んくっ!んっ!んっ!」

「ぐっ!」

!!!!!!!!!!!

激甚なダメージが加えられ俺はついにグリシーヌの口の中に果ててしまった。

溜まっていた俺の欠片たちがグリシーヌの口腔内に噴射された。俺は射精感にうち震えた。気持ち良すぎる……

「けほけほ!…果てるのなら言わぬか!けほ、ごほ……」

グリシーヌは口の中の精液を吐き出して、むせかえるのを我慢して俺に抗議した。

「今度は俺がしてやるよ」

たちまち復活した俺は性衝動を満たすべく獣になることにした。

そう言ってグリシーヌの手を取って素早く寝転ぶ。俺が仰向けでグリシーヌは俺の上でうつ伏せだ。

グリシーヌの手を引いて、彼女の顔を俺の股間に押し当てる。グリシーヌは俺の望みを察して再び俺のチンポを咥え込んだ。

グリシーヌの積極的な態度に満足した俺はグリシーヌの腰を掴んで、グリシーヌの股間を引き寄せた。

「ん!ちょっと待て隊長!み、見るな!」

砂まみれになったグリシーヌの雌しべをまず観察する。

まず真っ先に目に入ったのは金色の陰毛だった。このアングルで見るとなかなかインパクトが強い。それからクリトリスが勃起し小陰唇が赤く腫れ上がっているのがわかった。男を獣にする蜜液が大陰唇と小陰唇を濡らして砂がついてしまっている。このままチンポを入れたら衛生に悪いかもな。

俺は金の陰毛を噛んで引っ張った。口の中に砂が入りじゃりじゃりする。

グリシーヌが抗議のために顔を上げようとしたので、俺は咄嗟に右手で彼女の頭を押さえ込んだ。

「んんっ!んっ!」

グリシーヌの顔を俺のチンポに押し付けてから、再びグリシーヌの秘密に迫る。恥丘から大陰唇、小陰唇を舌と指でなぞり、膣前庭、膣口を舌で舐めた。

「はあああぁぁっ!やめて、やめてっ!ああっ!」

よだれの糸を引きながらチンポから唇を離すグリシーヌ。よほど刺激が強かったらしい。

やめろと言われてやめるはずもなく、俺はますます熱心にグリシーヌの雌しべを責めた。特に勃起したクリトリスだ。膨らんで真っ赤に充血しているクリトリスを舌で責める。

「うあああっ!あんっあっ!ああ、くふん……」
いいよがり声だ。喜んでもらえて俺は嬉しい。

「処女なのにこんなに感じるんだ。ホントに自慰やったことないの?」

「う、うううるさい!そんなこと聞くな!」

あまりにかわいいことを言うので、俺はもっといじめたくなった。

会陰部を人差指で何度も撫でた後、菊門をそっと触れた。
「ひゃあっ!あ、あ…あぁ……」
ブルブル震えるグリシーヌ。未知の感覚に為す術もないみたいだ。

「そ、んな、あぁはっ!とこ…ろ……」

「気持ちいいだろ?」

菊門を這わせていた指をアヌスに挿入する。
「やあっ!きた、ない、はぁんっ!」
「でもここはもっとしてくれって言ってるよ?」

とめどなく愛液を流すヴァギナに俺は舌を入れた。
「ふ、ふぅぅぅ……」

グリシーヌはガタガタ下半身を震わせた。ヴァギナとクリトリスを交互に舌で責め、指はアナルの中を掻き回す。

「今日は前の処女をもらうけど、いずれお尻の処女ももらうからね」

「ふぅんっ!ああっ、んっ!ひっ!」

そろそろだな。グリシーヌがよがるのを聞いていたら俺もチンポが窮屈になってきた。

グリシーヌを抱き上げ、タオルの上に寝かせる。グリシーヌは熔かすような熱い目で俺を見ている。

足首を掴んで足を大きく開脚させた。グリシーヌは少し抵抗したが、結局俺が勝ち、チンポを秘裂の中に入れることができた。
「あああぁあっ!隊長!」

まずは先っぽを侵入させる。処女膜を突き破るのを感じた。わずかに血が流れた。。

「くっ!グリシーヌ、全部入れるよ。少しの間だけ我慢しろ……」

「ああぁっ、くっ!……」
グリシーヌは涙を流して必死に痛みに耐えている。浜の砂をかきむしるようにして握る。

そうかと思えば俺の背中に手を回して爪を立てた。

ようやく全部入った。さすがに処女はきつい……!
俺はゆっくりと腰をグラインドさせる。もちろん激しく突きたいのを我慢してるんだ。

「はっ!あっ!ああっ!や、んっ!……」

最初はゆっくりだったピストン運動も徐々に早くなっていく。それに合わせてグリシーヌの乳房が激しく揺れる。
グリシーヌは感じてくれてるみたいだ。声が切ない。

「隊長、たいちょお、愛してる、ああああぁぁぁっ!」

俺はイキそうになっていた。グリシーヌも高みに近づいているみたいだ。

「グリシーヌ、グリシーヌ!」

双丘を揉みしだいて、その後はアヌスを責めながら腰を振った。

「あああっ!あん、あん、あん!はあんっ!あんっ!あんっ!ダメ、も、もう!」

「イク時は一緒だグリシーヌ!」
グリシーヌはいよいよ極まったとばかりに全身震えてきた。もう返事する余裕もない。ただ喘ぐだけだ。

お、俺ももうだめだ!

「はあああああぁああぁぁっっっ!!!」
俺がイク前にグリシーヌがイッたようだ。最高のよがり声を上げてイッてくれた。

絶頂の瞬間にチンポを抜いてグリシーヌの体に精液をぶちまけた。さんざんぶちまけた後、俺は体を震わせグリシーヌの横に倒れ込んだ。

「腰が抜けそうだよグリシーヌ……」

俺はグリシーヌを胸の上に抱き寄せた。グリシーヌは忘我の境地で俺の言葉なんか耳に入っていないようだ。俺はグリシーヌの髪をかき抱いた。





「やあ起きたかい?」

目を少し開いた時、隊長の声が聞こえた。

私は寝ていたのか……?

そういえば私は隊長と!!!

「隊長!」
がばっと身を起こすとそこはコテージのベッドの中だった。私は裸で、隣で半身を起こして私を見下ろしている隊長も裸だ。

「…隊長が運んでくれたのか……?」

「俺でなかったらとんでもないことになってるよ」
そう言って隊長は破顔した。

「……」
自分でも顔が赤くなるのがわかった。さっきは私は隊長ととても口で言えないようなイヤラシイことをしていた。

昼間からあんなことになるなんて……

「照れないでくれよ、俺まで恥ずかしくなるじゃないか」

「隊長も恥ずかしいと思うことがあるんだな」
私は照れ隠しに皮肉を言ってしまった。

でも隊長には効果がなかったようだ。
「グリシーヌ、もっとたくさんセックスしなくちゃな。もう少し慣れれば痛くなくなるはずだから」

「……私は貴公を愛している。だから貴公に体を触られることは最高に気持ちいい。これからももっと私を愛してくれ。心においても、体においても」

これは私の率直な気持ちだ。確かに処女で痛かったが私は最後まで達することができた。愛あればこそだと思う。

「ああ、もちろんだよグリシーヌ。俺はグリシーヌを愛している。グリシーヌ、君は俺を愛している。もっとたくさん誓い合おう。そして、いつまでも……」

「隊長……」

コテージの中で私と隊長はもう一度体と体を重ねあったのだった。
                               終




【解説】

成人向け小説は書くのが難しいです。おもしろいですけども。

女の子の喘ぎ声とかよがり声とかって、書いてる途中で「ホンマに感じてる?」って聞きたくなってしまいます。

しかも、自分で読んでいて、あまりエロくないですし…


ストーリーには気を配りました。
「紐育の女に大神を取られるのではないか?」とグリシーヌが葛藤するシーンを本当は入れるべきなのですが、長くなりそうなので避けました。


次もサクラ大戦4をネタにして書くつもりです。次回またお付き合いいただければ幸甚です。




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