地面に這い蹲う。黒髪が土にまみれる。小石が肌をこする。砂塵が僅かにたった。
無様に平伏すスネイプの傍らにしゃがみ込んで、くすくすと僕は笑った。

「あーあ。残念でした。やっぱり君は弱いよね」

感情を逆撫でするように、言う。より一層惨めなように。より一層嫌悪するように。

「あれだけ褒められた魔法薬学の知識も全く意味ないみたいだねぇスニベリー」

スネイプは顎を地につけたままこちらを向いた。土のせいで所々茶色になった黒髪の隙間からのぞいた目。憎しみではなく、哀れみと赦しを請う、目。 僕は立ち上がって、地面にだらしなく広がった髪を、踏み付ける。蹂躙するようにぐりぐりと踏み躙る。スネイプの顔が微かに、痛みに顔を歪めた。

「痛いだろ、スニベリー。ほら、泣いちゃえよ、泣き味噌め」

いっそ泣き叫んでくれ。僕を詰って、罵って嘲って、傷つけて、どうか僕から逃げてくれ。いつからこんな風になってしまったんだろう。好きなことにかわりはないのに。いつから、どうして、こんな風に。

「………哀れだな」

スネイプは呟く。かっと頭に血がのぼった。誰のせいでこんなに悩んでると思ってるんだよ?いったい誰のせいで僕は君を傷つけなくてはいけなくなったと思ってる?

「何がだよ、あァ?もう一回言ってみろよ」

がっ、と僕はスネイプの額を蹴りあげた。スネイプはくぐもった声をあげる。しかし、それ以上は何も言わない。何も、しない。 だから、僕はまた、蹴る。殴る。叩く。潰す。傷をつけて傷をつけて、

「もう反抗する気力もないのか?」

嫌って、離れてよ。ずっとずっと蔑んで、汚いモノとして拒絶してくれよ。もうとまらないんだよ、なんで、なんで、こんなに僕は、君を傷つけてしまうんだよ、











   好  き  で  嫌  い  で  嘲  り  傷  つ  け
            (でも好きだよ、本当に)
























(ノリで書いたからよくわかんない 2006/06/22)