◆坊っちゃんとお師匠◆

坊っちゃんは、由緒正しきマクドール家の嫡男。
武術の一つも身につけていなければいけない、と言う訳かどうかは分かりませんが、幻想水滸伝本編より前にカイ師匠から棒術の指南を受けています。
テオパパは棒術などやってないだろうに、何故棒術なのか? などとは突っ込まず、ひたすらその力+技に見惚れていましょう。

さて、原作の水滸伝で『良いおうちの坊っちゃんで、師匠について武芸十八般を学び、槍棒を得物にしている人物』と言えば、九紋竜・史進(天微星)が居ます。
史家村の村長の嫡男で、武芸の先生は80万禁軍教頭をしていた王進、他にも史進に武芸を教えた師は7〜8人居ました。史進に武芸を教えたうちの一人が、宿星の一人打虎将・李忠(地僻星)。カイ師匠と同じ宿星です。
残念ながら李忠はカイ師匠ほど強くなく、本当に史進に教えたのか? と疑うような腕前です。王進が108星では無いので、カイ師匠を李忠の宿星に当てはめざるを得なかったのでしょう。

史進はお父上亡き後、史家を継ぎますが、村長としてのお仕事はさっぱり。あげくに近くの少華山の山賊と仲良くなり、自宅に招いて宴まで催す始末。「史家の史進は山賊と好を通じている」と通報されて捕り手が家を囲んだら、友達である山賊を突き出すのは嫌だと自分の邸宅に火を放って、さっさと少華山に逃げ込みました。その時点では山賊になるのを断わった史進ですが、後にしっかり少華山の大頭目におさまっています。
何度も書きましたが、この時代の本当の悪は『賊』では無く『官』の方。
少華山の山賊達も『官史に苦しめられて、やむなく山賊をやっている』という次第なので、その人物に惚れた結果、史進が上の暴挙を犯しても、特に突っ込まれる事は無いようです。

途中経過は大分違いますが、マクドール家の坊っちゃんも友達の為に帝国軍を追われ解放軍入りしています。
義を見てせざるは勇なきなり、と言った所でしょうか。
坊っちゃんは、天魁星の宋江よりも、むしろ九紋竜・史進(天微星)をアレンジしたキャラクターだと思われます。
ちなみに史進は、108星のトップを飾って物語に出てきます。

第5回
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