◆元・官軍◆

水滸伝は官軍に逆らって一泡吹かせる賊軍の話しです。
だからと言って、その頃の本当の悪者は自分の懐を肥やす事だけに固執し、民を顧みる事の無かった官軍の方ですから、賊軍に人気が集まるのは当然の事。
クレイズやカナンのような小悪党が、たくさん官軍の中枢に居て、力を得ていたと思って下さい。

そんな水滸伝ですが、108人の仲間には多くの『元・官軍』が居ます。
天コウ星36員の中には、地方役人の宋江(天魁星)を筆頭に、関勝(天勇星)、林冲(天雄星)、秦明(天猛星)、呼延灼(天威星)、花栄(天英星)、朱仝(天満星)、董平(天立星)、張清(天捷星)、魯智深(天孤星)、楊志(天暗星)、李逵(天殺星)、徐寧(天祐星)、索超(天空星)、戴宗(天速星)、雷横(天退星)と名立たる将の名前がずらずら並んでいます。役人だったり軍人だったりと役職は様々ですが、一度は庶民の納める税金から給与を貰った事の有る身です。
更にこの中で、所謂クワンダ・ロスマンやソニア・シューレン、カシム・ハジル、ミルイヒ・オッペンハイマーのように、梁山泊軍と戦った末に入山したのが、関勝、秦明、呼延灼、董平、張清、索超です。

地サツ星で元・官軍は黄信(地サツ星)、孫立(地勇星)、宣贊(地傑星)、カク思文(地雄星)、韓滔(地威星)、彭キ(地英星)、単廷珪(地奇星)、魏定国(地猛星)、裴宣(地正星)、凌振(地軸星)、蔡福(地平星)、蔡慶(地損星)、李雲(地察星)。幻想水滸伝でも人気の高い地奇星・地猛星は二人セットで登場してます。

さて、カシム・ハジルを仲間にする際に、後押しで言葉を添えてくれたのはミルイヒでしたね。
水滸伝にそういう記述が有るかというと『関勝(天勇星)生け捕り作戦』の時に出てきました。
「仲間になって下さい」とお願いする宋江(天魁星)の後ろから、関勝を口説き落としたのは、先に梁山泊の仲間になっていた元・官軍の呼延灼(天威星)でした。そもそも呼延灼は関勝を生け捕りにする作戦の中枢に居たんですけどね。
そんな形で仲間になった関勝との一騎打ちに負けて仲間になったのが単廷珪(地奇星)で、その単廷珪と関勝に口説かれて仲間になったのが魏定国(地猛星)です。

第9回
back