◆狙われた美人妻◆

レパントを仲間にする際のイベントに、愛妻アイリーンが新任のコウアン軍政官クレイズに連れ去られるというエピソードが有りました。
幻想水滸伝では、この後クレイズを散々に打ちのめし、レパントは愛妻アイリーンと共に解放軍入り、めでたしめでたしで終わりましたが、原作の水滸伝で美人の愛妻を奪われた豹子頭・林冲(天雄星)は、めでたくない結果で終わっています。

元々官軍で80万禁軍教頭を務めていた林冲の美人の奥さんに横恋慕したのが、四姦のトップ・高キュウの養子の高衙内だったというのが、林冲の不幸の始まり。
林冲は自分の美人妻を犯そうとした高衙内を押し留めただけで、養子を庇う高キュウの目の敵にされてしまいます。
この後林冲は、巧妙に仕掛けられた罠に落ち、無実の罪でありながら流罪にされ、更に護送中に護送役人に何度も暗殺されかけるというとんでもない運命に翻弄されます。(そんな林冲を救ったのは花和尚・魯智深(天孤星)と小旋風・柴進(天貴星)ですが、この話はちょっと置いておきます)
結局、途中までは大人しく服役するつもりだった林冲ですが、自分が帰るハズだった小屋が燃やされて、ようやく暗殺されかけた事に気付き、暗殺者の護送役人を殺した後、柴進の勧めで梁山泊に入山。めでたく山賊の仲間入りです。
残された林冲の奥さんはどうなったかと言うと、高衙内の妻にされるのが嫌で自殺しています。
この事を知った林冲は、二度と妻を娶らず独身を貫きました。

レパントの話しと林冲の逸話の被ってる所は、美人の愛妻が権力者に狙われたと言う所だけ。
原作を知っているから逆に、幻想水滸伝では、林冲のような結果にしたくなかったのかも知れませんね。

第12回
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