◆天速星と神行法◆

天速星のスタリオンは、『真神行法の紋章』を固有で宿していて、その足の速さでシルビナやテレーズを助けただけでなく、ゲーム中も大いに役に立ってくれました。主に移動時ですが……。

さて、原作の水滸伝には、同じ天速星で1日に800里を行く『神行法』を使う神行太保・戴宗と言う人物が居ます。
この速さを存分に使って、梁山泊では主に情報収集を担当していますが、危急の用が有る場合は、いつでも戴宗の出番です。
更に戴宗は、他の人物も自分と同じように速く走れる『神行法』の術を施す事が出来ます。
その描写が出てきたのは、柴進(天貴星)を助ける為に、行方不明の公孫勝(天間星)を探しに行く時。
『神行法』を施せば誰でも自分同様に速く走れるから誰か供を付けて欲しい、と戴宗が晁蓋や宋江や呉用に申し出れば、暴れん坊の李逵(天殺星)が一緒について行くと名乗りを上げます。元々柴進の身に起きた難事の原因は李逵にあった為、責任を感じての名乗りだった模様。
だがやっぱり暴れん坊の李逵なので、旅のはじめに戴宗と約束した精進(肉断ち)を続けられず、途中でこっそり肉を食べてしまいました。もちろん戴宗にバレないワケが有りません。それを知った戴宗は、ちょっぴり意地悪な『神行法』を李逵に施します。
翌日、李逵の足に神行法の札を貼って走り出せば、李逵は何が有っても止まらない、本人が止まりたくても止まれない。
戴宗は一人で止まってのんびり食事をしてから、走り続けてる李逵に追いつくと
「肉を食っただろう? 精進を破ったら『神行法』は走り続けで止まらないんだ。そうだな、あと4、5年は走り続けだな」
と、楽しそうに李逵を脅していじめました。
これは戴宗が李逵を懲らしめる為にやった術で、実際には謝り倒した李逵を許して走るのを止めてあげています。

『真神行法の紋章』の元は、戴宗の『神行法』からだと考えられます。
また幻想水滸伝で普通に売っていた『神行法の紋章』は、宿せばダッシュが出来る事から、『神行法のお札+戴宗の術』代わりなのかなと思います。

第13回
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