「キフネさん?すんごい顔してますよ?」
「ばっ…バカ!違うっ」
「違う?何が…?」
「ンっあ…」
 首筋に彼の唇が触れ、強く吸われた。

 ああ、俺、どうなっちゃうのかな…
 不気味なヨダカヘビにケツの中を突かれまくった挙げ句、射精寸前までアレを勃たせた俺。
…もう、立派な変態ホモだった。
 これからは、普通のエッチなんてできなくなるんだ。 半ばヤケ気味になった俺は、とにかく射精を目指して急ぎ始めた。
 すぼまりに力を入れて収縮してやる。半端ない痛みが走ったが、アレの反応は劇的だった。 下の膨らみの所がわななく感じがして、俺は腰を振るようにすぼまりを動かす。
「…キフネさん。何してるんですか?」
 俺の首筋に吸いついていた彼が異常に気づく。
「何って…」
 俺はろれつが廻らない。
「まさかイッちゃうんじゃないでしょうね」
 駄目なのか?!

俺は目を剥いた。
「駄目ですよ。イッたら」
「…んなこと、言ったって…、もぉ……」
「しょうがない人ですねぇ」
 言うなり、彼は俺のアレをいきなり握りしめ、道をせき止めやがった。 俺は悲鳴をあげた。
 窒息するかと思う苦しさが襲った。
 この野郎、マジで…
 それから彼は念仏を呟くと、右手のヨダカヘビの尻尾を引き上げた。
 ズブッ!ズブズブッ!グチャッ
「ぅあっ…あっ、あ、ふ、んッ!や…」
 体の内臓まで引きずり出されるようだった。 すぼまりはもの凄い熱を放ち、俺は体をひきつらせて、ただ声をあげ続けることしかできなかった。
 ズリュッ。
「はっ…あん」
 体が大きく跳ね上がり、その衝撃で、俺は体からヨダカヘビが引き抜かれたのを知った。

 頭がくらくらして、俺はしばらくうなだれて、荒い息を吐き続けた。 体の中が、どろどろに溶かされた気がする。 やっと目をあげると、雌雄で合体したままのヨダカヘビ達が、数珠でぐるぐるに巻かれていた。 俺の中に入っていた雌は、あれから成長したのか雄と同じくらいの大きさになっていた。 肉色の一つ目の頭は生殖器だったらしい。雄をくわえこんで、ひくついていた。
…オェ〜。
 俺は青ざめた。
「まったく。勝手な行動をしないでくださいよ…」
 拘束したヨダカヘビを四次元ポケットにしまいながら、彼は呆れたように言った。 そんなことより、俺のを掴むの、そろそろ離してくれないっすか…
「だって…」
 俺は手を伸ばして彼の手を剥がそうとした。 が、彼のそれを握る手は一層強まり、俺は手を引いてしまった。 彼の顔が俺の目の前に近づく。 キスされるかと思ったが、違った。
「仕事は終わりました。報酬を頂いて、帰ります」
 ギリッとアレがねじられ、俺は呻きながら、
「マジでっ…ほんっ……わかったから、イカせろよっ…」
「諸経費込みで十五万。」
 はぁ?!
 なんっじゃ、そりゃ。
「払えますか」
「い、今…?」
 彼はニターッと笑って頷いた。 この野郎。どさくさに紛れて、ぼったくる気だ。 大体、原因はあんただろうがよ!俺は被害者だっつの。
「そんな金、ねえよっ…」
「そうですかぁ?」
 と言って左手に、いつの間にか俺の財布を持っていた。
「いくら入ってます?」
 俺は彼を睨んだが、アレをまた強く握られてしまう。
「ん…ご、ごまんえんくらいなら…多分」
「全然足りませんねぇ。…う〜ん。どうしましょう」
 のんきな口調で、俺の顔を覗き込む。